■読む前までは・・・
美意識が高いほうが良いような気がする、この程度の意識でした。
■読んでみて
偏差値だけに偏るとオウム真理教の幹部のようになる。
・彼らの学歴が超高いことは、私も不思議に思っていました。でも、そんな彼らが社会人になり、社会に生きづらさを感じ、宗教に傾倒していったことを感じることができました。
文学作品に全く触れていなかったオウムの幹部たち
・与えられた勉強だけをして、テストをクリアしていく。その後社会に出ても、今までのシステムと違うことに気づき、分かりやすいオウムのシステムに傾倒していった。
お勉強はできたた彼らは、国語の勉強はしても文学作品には触れていなかった。おそらく美術は、受験に関係ないので成績をクリアする程度にしかやっていない
ダイソンの幹部も美術系の学部を出ている
・製品×美意識にダイソンの例を出されると、非常に分かりやすい。
・美意識が高くないと、あの扇風機は生まれなかったかも。でも私はダイソン製品使ったことはない・・・
千利休は初めてのクリエイティブディレクター
・私は茶道をしていた頃があり、道具のシンプルな日本的な美は理解しているつもり。でも茶道の世界は、評価とやりがいが現代にマッチしていないから続けられなかった。確かに茶わんや茶せんを利休が作ったとは思えない。
私は絵を描くのは苦手だけど、彫刻や版画は好きだった。でも日本の教育システムでは「美」の優先順位は高くない。だから今、世界で勝てない?!
■今後にどう生かすか
今ちょうど、「13歳からのアート志向」も併せて読んでおり、美術作品との対話の練習問題もやっている。今後はアート作品との対話を続けたい。
私の好きなアート作品は、宝石メーカーの広告ポスター。特に Van Cleef&Arpel のものが好き。シャネルやディオールなどの広告ポスターも好き。好きな作品とも対話してみたい。
ビジネスは数字だけじゃダメ。美意識も必要。美意識の中にある「曖昧さ」を生かすことが必要。曖昧さ、点数をつけることが難しい(○○展で優勝と準優勝の違いって分かります?)でもそれがビジネスになると、高いけど「売れる」「支持される」という物差しがある。
■余談:言葉のすばらしさ
原作と実写化
小説はベストセラーになると映画化されることはよくある話です。難しい話も映画になると長くても3時間で終わるので、本を読むより早い。でも、映画化、テレビ化、アニメ化された作品が面白くないと感じたことはありませんか。
私は、時には実写化されたものを面白いと思いますが、原作の方が面白いと思うことが多いです。(でもこれを口にすると、本嫌いな方は嫌がるので注意!)
それは、言葉の素晴らしさに映像が勝てないからだと思うのです。本の中には、それぞれが頭に思い描いた場面が、映画では目の前に現れます。それが自分の想像していた世界と違う。
俵万智さんが以前どこかで
「龍が〇〇のように天へと舞い上がり、彼方へ消えていった・・・」のような文章を映画にしても面白くないだろうと、書いてあるのを読んだことがあります。私は、なぜ原作の方が面白いのだろうと不思議に思っていて、その答えを知ることができたので、俵万智さんにとても感謝しています。
理由は「言葉の力」だったのだと。まず、龍を映像化する、これがそもそも難しい。だって、実在しない龍を想像力だけで映像にするのですから。恐竜を3次元で復元するのとは訳が違います。