人はいじめを止められない
昔から集団にそぐわない分子を排除する習慣があったため、その機能が脳に残っているだからいじめは止められない。
いじめをやめなさい、と言うのは
甘いものが大好きな人の前にケーキを置いて、食べるのを我慢しなさいと言うようなもの。
なんとなくわかっていることを、科学的な実験例などを示して整理されている本です。私の中では男性の派閥、女性の村八分、その仕組みがホルモンの違いから来ているところが面白く感じました。
学校でのいじめがなくならないのは、文科省がいじめガイドラインなどを作りつつも、「いじめゼロ」を目指している学校が多く、ガイドライン通りに報告すると、そもそもいじめがゼロにならない、そこに矛盾がある。
人類の進化の過程において異分子は危険なものであった。ところが多様性の時代、異分子としての個性が大切。しかし学校のように閉ざされた社会では、どうしても同調圧力が生じて異分子を排除しようとする動きが出てくる。
「スマホ脳」にも太古からの脳の発達の歴史が書いてあり、視点は違うけれど、急速に発展した現代社会に脳が追いついていないので、いじめは残るのだと思いました。
だからそのいじめを排除するのではなく、うまく付き合うことが大切。うまく付き合うと言うのはいじめを認めるのではなく、上手に対処しましょう、と言う事。
獲得可能性と言う言葉が出てきたあたりに、女性としていじめを受けないためにのアドバイスが記載されていましたが、大変参考になりました。
いじめが発生した後に悩むことに比べれば、いじめが起きないように振る舞うことが大切だと、当たり前ですが深く納得したところです。