返済義務のない給付型奨学金と授業料免除
私は、自営業の家庭に育ち、国立大学を卒業した。
姉妹は、妹が1人いる。
給付型奨学金は100万円以下の少額のみ受け取ったことがあるが、返済義務のある奨学金には興味がなかった。
授業料免除は、高校1年生の頃から、その恩恵にあずかっている。
まずは、私の学歴から。
私が通ったのは公立の高校ではなく、国立高等専門学校で、通称「高専(こうせん)」と呼ばれている。(高専は、当時は国立、現在は独法。この辺りは国の組織の話で、難しい方はスルーしてもらってよいです)
国立なので、組織は国立大学と似ている。
入学して初めての授業料は、何も疑わず納入したが、前期の途中「授業料免除」なるシステムがあることを知る。
1年生の後期より授業料免除を申請し、卒業するまでその後9回の支払いは全て「半額免除」となった。
高専(修業5年)から大学へは「編入」という道がある。短大と同じく20歳で卒業する高専生は、大学の3年次(大学によっては2年次)に編入学できる。
私はある国立大学の3年次に編入した。
ここでも、初めての3年生前期の授業料は、通常とおり納入したが、周囲には授業料免除を申請している友人が多く、後期より免除申請した。
結果は、全額免除。初めてのことで驚いたが「授業料免除の総額は、高専より大学の方が大きいんだ」と感じた。以後、卒業するまでに3回授業料納入の季節が巡ってきたが、3回とも全額免除で支払っていない。
これを読みながら「そんな方法があるんだ、いいなあ」と思ったあなた、申請するために必要な書類を揃えるのは、結構大変なのである。
これは親子の共同作業だといえる。これは詳述しよう。
次に私の家庭環境。
父は自営業だった
というのが「授業料免除」を受ける上で何より大きかったのは事実だろう。
そう、父は自営業、サラリーマンではなかった。
ここに「収入」という大きな壁がある。
では、授業料免除にはどんな書類が必要なのだろうか?
詳しくは覚えていないが、下記の3つ。
・申請書
・収入証明(市の発行する所得証明書。サラリーマンなら源泉徴収票でもいいのかも)
・住民票(家族構成が証明できる様式、戸籍謄本だったかも)
申請書に、両親の収入金額と家族構成を書く必要がある。その裏付けに、所得証明書と住民票を添付する。
所得証明書の発行は、市役所の窓口のみで交付される。
つまり、独り暮らしで親とは離れ暮らす学生は、両親の所得証明書を両親に取得してもらわなければならない。親子で協力しないと、申請書は提出できない。そしてその証明書を証拠が残る郵送方法で郵送してもらう必要がある。
メディアで取り上げられる「進学したいけど大学進学できない若者」や「授業料が払えず中退した若者」は、両親の学歴が低い傾向にある。もしくは、亡くなっていたり病気など、問題を抱えている。
授業料免除の申請期間は短く、証明書を取得するのは、そのほとんどが学生自身でなく両親の場合が多い。可哀想だからという理由で授業料免除の枠を広げることはできず、また、本人の口頭申請だけで、証拠書類もなく授業料免除もできない。そんなことをしたら、誰が真偽を判断する?
では、改善するにはどうしたらいいのだろう?
現在、所得証明書は両親が住む自治体からしか発行できない。これが、個人番号カードの普及とともに、全国の自治体で取得することができるようになれば、学生本人だけで証拠書類を揃えることができる。
もしくは、証拠書類を提出する期間だけでも延ばしてもらえたら。
(今は延びているかもしれませんね)
私の母は「この書類を揃えてほしい」と伝えれば、子供の予定優先で揃えてくれた。しかし、この世の中、そんなに優しい母ばかりではないようである。
では次に奨学金。
返済義務のない奨学金とは何だろう。
以前は、旧日本育英会の奨学金も、国立大学の教員になるなど職業により返済が免除されていた。
現在そのシステムはなくなったときく。
では、どんな奨学金があるのだろう?
有名なところでは、日本財団○○、稲森○○、などの奨学金ではないだろうか。ただし、有名すぎてかなり優秀な方でないともらえないのは予想できる。私は学生時代そんな大手の奨学金の案内を掲示板で見たことなどない。おそらく有名大学にのみ書面で案内が届いているのだろう(当時、インターネットなどはない)。
やはり、奨学金をもらいたければ、掲示板をこまめに覗くしかない。今は学内のポータルサイトの掲示板にのるのかな。
額は小さくても、地元企業などの「返済義務なし」を探すしかないのだ。
探せばある。
探さなければ、見つからない。
ちなみに私がもらっていた奨学金は、返済義務はなかったが、数ヶ月おきのレポート提出が義務だった。
もらえることが決定したときは、正直うれしかった。
授業料免除の書類を揃えたり、奨学金を血眼になって探したり、それは今の私の力になっている。
事務的な書類を揃えたり書いたりすることには、慣れた。
この記事を読みながら、授業料免除や奨学金の計画を立てているあなたは、苦労するかもしれない。せっかく揃えた書類も「違う」と指摘されることがある。しかし、面倒だと思いつつ、微妙な書類の「違い」を知ることができる。それは確実にあなたの力になっている。
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