なぜこの本を手にとったか『 RANGE 知識の幅が最強の武器になる 』
知識の幅と知識を深く掘り下げること。
度々議論になりますし、子供の教育方針などとも密接につながるテーマです。どのような形で「幅を広げること」が武器になるのかということを読んでみたいと思い、この本を手に取りました。
読んでみての感想
色々なテーマを例に挙げ知識の幅を広げることの大切さを訴えてあります。冒頭はタイガーウッズの描写から始まります。タイガーウッズのことはおそらくこの本を読むほとんどの方がご存知かと思いますので、どのようにしてタイガーが教育されていったのかというところは非常に引き込まれる部分です。
その後しばらくすると、任天堂の話題となります。私はこちらの本は Kindle を読み上げで聞いていたのですが、任天堂の下りは「作者は外国の方だよね、日本人じゃないよね?」と疑いたくなるほど、任天堂のことが詳しく書いてあります。任天堂が後発のおもちゃ会社であったということは初めて知りました。
心に残っている部分として
スペシャリストと呼ばれる専門家を取り上げた章があります。その中できっぱりと『専門家たちは予想が的中した時は大々的にその事を叫ぶけれども、外れた時は全くそのことに触れない。そのため予測が外れたことを、一般の方が知る機会は少ない。だからスペシャリストは予想が的中すると思われる傾向にある。ただし蓋を開けてみれば、その専門家の予測もサイコロ投げの確率やチンパンジーとさして変わらない。』と書いてあります。
知識は深掘りするよりも横に広げる方が難しい。それはスポーツを例として挙げられています。テニスなど、一つの種目を突き詰めるよりも、テニス・水泳・サッカーと横に広げる方が技術を習得することは難しい、私にとってはわかりやすい例です。
ただし基本的な概念として、知識を横に広げる前に、その知識の縦方向の深さが、中途半端ではないのだろうということを忘れてはならないと感じました。
研究者も、一つの事を掘り下げているイメージがありますが、時代とともに研究テーマを横にスライドしていかなければ、時代遅れになります。
ビジネスの世界ではなおさら、スピードが求められるため、分野横断的といわれるジェネラリストが必要になるのです。
本を読んだ後、行動をどう変えるか
ここ一か月で読書量はかなり増えましたが、もっと色々なジャンルの本を読もうと、深く思いました。ビジネス書を読んだ後は文芸書を読む、そのような感じで、この後に読むのは岡本太郎さんの「今日の芸術」です。Kindle のライブラリーには、東野圭吾さんの「ダイイング・アイ」も待機しています。
最後に
13歳からのアート思考、世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか、を最近読みましたが、この本「RANGE」との共通点は、学校で教える知識だけを吸収すれば良いのか、テストで良い点数を取るためだけの勉強で良いのか、という点を改めて考えさせられます。一つのことだけをやっていれば良い、という視点や考え方は古く、それは私たちの働き方にもつながり、終身雇用というシステムの終わりに近づいているようでもあります。改めて、今後の自分の人生も、一つのことにこだわるのではなく、知識の幅・人生の幅を広げる、という戦略が必要なようです。
今週のお題「読書感想文」