仕事と出産を天秤にかける。
こんなことを男性はするのだろうか。
私は30代後半で出産した。もう一人出産していれば、さらに長く出産休暇育児休暇を取ったことだろう。仕事の経験や昇進そして育児休暇の時期、いろいろと頭の中で考えるのだけれど、初めての出産が30代となると、ほとんどの女性は仕事はさておき、いつまで産めるかもわからないしと妊娠を選ぶ。
妊娠したかもしれないと気づくのはいつでも女性の方が先だし、それは特権なのだけれど、仕事か出産かなんて悩むのは、男性にはないことなのでしょう。
1人目の出産が高齢で、かつ望んだ妊娠となると、そりゃもう妊娠期間中は楽しくて幸せ。
ただ、いざお腹の中から子供が出てくると、お世話が大変なので、楽しくて幸せなんて言ってられない。
2人目の妊娠となると、第一子を育てながらの入院シーンであり、生まれてくれば2人の育児をしなければならず、それはそれは大変なことだろう。
数日前、日本のジェンダーギャップ指数が137位だったと発表されていた。
ジェンダーギャップ指数についての詳細はググっていただくとして、教育と保険の分野では低くない。日本の順位を経済と政治が下げているらしい。
私は理系の大学を卒業した。家族も含め、私の周りには
女の子だから大学に行かなくていいんじゃない?
え、女の子なのに工学部に進むの?
なんてことを言ってくる大人はいなかった。だから今でも心底驚くのである。未だにそんなことを女子学生に対して言うらしい。
勉強したければ進学すればいいし、何の分野を選ぶかは個人の自由。それを性別で色々言う人がいるんだね。
私は学生時代までは幸せに過ごしたのかもしれない。
でも初めて就職した会社が最悪だった。
この会社で初めて男女差別の熱い壁を知った。男性と肩を並べて働くには都会に出た方がいい。田舎でどんなに頑張ってもロールモデルもいないし、女性社長なんてせいぜい長男がいなかった。跡継ぎの会社くらい。
そこまで私が戦略的に仕事を選んでいれば、人生ももう少し違ったかな。
私は大学卒業時、大学院に進むか、このまま就職するか少しだけ悩んだ。でも出した答えは、
あと3年学生を続けて25歳の私に仕事があるだろうか、ないだろう。
この時女性だし22歳の今が限界かなと思ったことも覚えている。結婚するわけでもないのに笑っちゃう。でもまだそんな時代だった。
周りに、女性だから〜という大人がほとんどいなかったのに、私の思考回路はこうだったのである。
みんなに忘れないでほしい。SDGs の目標の1つにジェンダーフリーがある、ということ。多様性と言うと、なぜか非常に数の少ない性的マイノリティな方々に目が行きがちだけど、そもそも日本は人口の半分もいる。女性の活躍さえできていない。
これでは優秀な女性はどんどん差別のない外国に逃げちゃいますね。